日々僕たちを苦しめる脇汗・手汗などの「多汗症」。
一体どういうメカニズムで起きているのでしょうか?
何を改善すれば治るのでしょうか?
そもそも「普通にかく汗」と「多汗症」の違いって何でしょうか?
ここでは「普通にかく汗」の原因と多汗症の原因について調べた事を書きます。
3つの発汗原因
まずは僕らが普通にかく汗についてです。
人間が汗をかく原因は大きく3つに分類されます。
どれも生理的な汗であり「エクリン腺」と言う汗腺から出る汗でサラサラとしています。
99%が水で臭いはありません。
温熱性発汗
体温が上昇した時、体温を適正な温度に戻す為の発汗です。夏の暑い時やサウナ、運動中など、普段「あち~」ってかく汗の事です。
この汗が出ないと体温が上昇したままとなり熱中症になって具合が悪くなります。
手の平や足など汗をかく場所が集中する事は無く全身から汗をかくのが特徴です。
脳が体温を下げる為に「発汗しろ!」と命令を出し、交感神経を通して身体に送られ汗をかくと言う流れです。
精神性発汗
緊張やストレスによる発汗。これに悩んでいる方は多いと思います。
会社のプレゼンや彼女へのプロポーズなど、緊張している時は手や額に汗をかきますよね。これが精神性発汗です。
汗をかく場所は手、足、脇、額に集中します。
交感神経が不安や緊張などのストレスにより活性化し汗をかきます。
良く言う「手に汗握る」とか「冷や汗」もこれに当たります。
味覚性発汗
何かを食べたときの刺激による発汗です。
「辛いもの」を食べて発汗するのが一般的ですが、「甘いもの」や「酸っぱいもの」を食べて発汗する方も居る様です。
顔、特に額や鼻、ときには頭を中心にして起こります。
僕は辛いのが苦手なので、市販の麻婆豆腐でも汗だくになります。これですね。
多汗症と副交感神経の関係
以上でもちょこちょこ出てきた様に、発汗には自律神経が大きく関わっています。
自律神経は「交感神経」と「副交感神経」の2つの神経系で構成されています。
2つの神経系の役割はこのようになっています。
- 交感神経・・・発汗を促す
- 副交感神経・・・発汗を制御
交感神経が発汗を促し、副交感神経が発汗を抑制しています。
つまり、通常の人よりも多く汗をかく多汗症の方は副交感神経の働きが弱くなってしまっている場合が多いのです。
なので、上記の「3つの発汗原因」による汗をかいた場面でも、汗を抑える役割が弱いのでダラダラと大量の汗を垂れ流す事になります。
つまり、体質改善は「副交感神経の正常化」がゴールだと言う事です。
副交感神経の働きを高め、交感神経とのバランスを正常にしてやる事により発汗を押さえる事が出来ると言う事です。
交感神経はアクセル、副交感神経はブレーキと考えると分かり易いです。
副交感神経が弱くなっていると言うのは「ブレーキが効かなくなった車」状態です。これじゃ止まりようがないです。
汗をかくと言う不安で汗をかく
もう一つ多汗症として考えられる原因は「2次性の精神性発汗」と言うものです。
「汗が止まらない!どうしよう!」
「辛いの食べて汗が出てきたら嫌だなぁ」
と言う「不安の気持ち」から交感神経の作用が強くなり、精神性発汗を促して大量の汗をかいてしまうと言う症状です。
「生理的な汗は当たり前のもの」と自覚する事で気が楽になり、発汗を抑える事が出来る様になるかも知れません。
まぁこれ、言う程簡単な事じゃないんですけどね・・・。
自然には治らない
どうやら調べた限りでは、副交感神経の異常と言うのは自然に治るものでは無い様です。それもごもっともで、僕も5~6年は多汗症で苦しんでいますから治るならとっくに治っているだろうと思います。
ただ、副交感神経については生活習慣(お風呂の入浴方法)や食生活を見直す事により改善が期待できると言う事です。すぐに始める事が出来るので、やっておいて損は無いです。
むしろ、効果を実感できるまで時間が掛かるのですぐに始める事をオススメします。
それについては次回以降で紹介していきたいと思いますので、気になる方はフォローして頂けると更新情報をお届けできます!
また、2次性の精神性発汗だと思われる方は「発汗は当たり前!」と割り切れればいいと言う事ですが、それがうまく出来ないから多汗で悩んでいると思うんですよ。
多汗症の人にしか分からないかも知れませんが、本当に周りの目が気になって仕方ないです。例え恋人や家族に「大丈夫だよ気にしなくて」などと言われても気にしない事なんて出来ません。
なので、2次性の精神性発汗も自然には治らないと考えられます。
しかし、2次性の精神性発汗は病院でのカウンセリングで治る事も有るみたいです。
多汗症・ワキガの専門家である五味常明 院長が開設していたカウンセリング掲示板に参考になる情報があるかもしれませんのでそちらも覗いてみるのもいいかもしれません。
また、今回紹介した2次性の精神性発汗や副交感神経の異常が原因でない多汗症(病気や遺伝)の可能性もありますので、思い当たる方はお医者様へ相談されるのが良いと思います。